どこまでも歩いていく

歩きながら考える。主に山登りとか。

四阿山日記 後半

2日目(10/27)  バラギ高原キャンプ場〜茨木山〜四阿山〜浦倉山〜野地平〜バラギ高原キャンプ場

 

まだ夜が明けきらないうちに起床。寒さで何度も目を覚ました割には寝れたほうかな。

お湯を沸かしてコーンスープを飲むと、体が少し温まりました。

体調も昨日よりは良くなったようです。

6時を過ぎて陽が出てくると少しずつ気温も上がってくるのを感じました

朝食後準備をして出発。意気揚々と歩き出し、キャンプ場から10分の距離にある車道横の登山口を華麗にスルー。入口の看板が逆向きだった為見落としました。

素晴らしい1日の始まりです。

気を取り直して登山開始。気持ちの良い森林歩きが続き、途中からやや傾斜がきつくなっていきます。

傾斜がきつい箇所がままありますが、危険箇所はございません。

1時間弱で茨木山(1619m)に到着。

スタート地点と比べると標高が上ったことを感じられ、やや景色が開けますが木々が視界を遮りあまり周囲を見渡せません。

その後、稜線歩き(と言っても森林に囲まれている)と傾斜がきつめの登りを繰り返し、しばらくすると大きな岩塊の横を通過。これが鬼岩と呼ばれるところだそうです。日陰はほんの少しだけ雪が残っている。どんどん進んで行き、補助用のロープがある箇所も出てきて四肢を使って登っていきます。ペース的にもあまり問題はないですが、荷物は行動食と水、防寒着のみとかなり軽量なのにいまいち調子が出てきません。いつもだったら登り始めて20分〜30分すると慣れてきて体が軽く感じるようになりますが、今日はずっと重いというかすぐ疲れるというか。

標高2000mを超えたところで今まで続いていた森林帯から砂や岩のやや多い開けた場所に到着。浅間山もよく見え、景色が良いので写真撮影。

さらに歩を進め、スキー場方面との分岐に差し掛かったところからは雪が少し積もっています。下から見た際に四阿山は全く雪が積もっているようには見えなかった為、チェーンスパイクは使わないと思いテントに残し持ってきませんでしたがこれくらいなら問題ないかな。

浅間山は明らかに雪を被っていましたので実際登ったら相当積もっていて、冬山装備でないと厳しいだろうなと思いました。まあもう11月に近いのと四阿山の標高も2000m超えていますのでさすがに多少は雪があるか。今回はチェーンスパイク不要でしたが、登山はこういう装備の取捨選択が確かに大切です。

しかし、初日に浅間山が初めて見えた時から非常に不思議に思っていましたが、浅間山四阿山は距離も結構近いし標高も200mくらいしか差がないのにどうして浅間山だけあんなに雪が積もっているのでしょうか。

頂上付近の稜線に出ると景色は圧巻。

高度感もあるので周りの景色に吸い込まれていく感覚です。

程なくして頂上へ到着、先客はなし、ジャスト3時間くらいでした。

何と抜群の天気でしょう。やっぱり一人で来ると天気がいいなあ。(基本的には一人で登ことが多いですが、たまに知り合いと登りに行くと決まって天気が悪い)

ぐるりと素晴らしい景色が見渡せ、360°山々に囲まれています。

残念なのは当人に知識がなく、判別できるのは富士山と浅間山くらいなことです。

北西方向には雪を被った山々が連なっており、方角的にも北アルプスでしょうか。その他はわかりませんでした。

この瞬間星座を見た時の感覚に似たものを感じました。今まで日本の山やアラスカで美しい夜空に輝く星を何度か見てきました。しかし、僕には星座の知識も貧しく、北斗七星とカシオペア座、オリオン座しか分かず、星空に感動する一方で非常にもったいない気分になりました。もっとどれが何座と見分けることができればもっと楽しい星座タイムを満喫することができるのに。

山頂で行動食を食べながら少し休憩していると長野方面から男性が到着。本日の第一村人発見です。軽く挨拶をしました。帰り際にはもうひと組同じ方向からいらっしゃいました。基本的にはあちら側から登ってくるんだろうな。

さあ帰りはスキー場を経てぐるっとキャンプ場へ戻ります。

そうそう、山頂の看板にぐんま県境稜線トレイルのマークがあって思い出しました。

四阿山の登山道は群馬県が誇るこの100キロトレイルに一部なっています。

昨年谷川岳の清水峠の避難小屋で、このトレイルをまさに挑戦されている60代の男性に出会いました。驚いたのが、なんと彼はアメリカの三大トレイルであるアパラチアントレイルorパシフィッククレストトレイルを完歩されたそうです。(すみません、忘れてしまってうろ覚えですが確かそのどちらかだったような)

お仕事を勤め上げられた後に挑戦されたそうで、完歩するには数ヶ月かかる為、アメリカ大使館で面接をしてビザの取得が必要だったり、三大トレイル全て達成(トリプルクラウン)された方のお話などとても貴重なお話を伺いました。

すみません、おじさん。あの時おじさんの県境稜線100キロトレイルと僕の馬蹄形達成を誓い合い分かれましたが、僕はそっこう蓬峠でギブアップして下山し、2年連続2回目の馬蹄形リタイアと相成りました。

話は逸れましたが、頂上からはそのまま来た道をいったん戻り、分岐でスキー場方面に進みます。ここがあのおじさんが言っていたトレイルかと思うと少し感慨深い気持ちになりました。

このトレイルに挑戦したい気持ちはありますが、100キロの距離をテン泊装備で歩いたら何日かかるのだろうか。おじさんは清水峠まで1週間くらいと言っていたかな。

1週間分の食料詰めて100キロ歩くのはなかなか骨が折れるな。

途中の道が全然整備されていないと文句をおっしゃられていたのはよく覚えております。

スキー場方面はずっと雪が積もった登山道でしたが、傾斜が緩いので問題ありません。しばらくしてゴンドラ乗り場に到着。営業していないので動いていませんし、誰もいません。コーラが飲みたくてワンチャン自販機があることを期待しましたが皆無でした。

その後リフト乗り場と思われる付近を経て浦倉山(2090m)へ到着。まだ標高は2000mあり、全然降りてきていませんね。

山頂の看板の裏側に別の土鍋山方面の道があり、100キロトレイルはこちらへ進むようです。

後日地図を見てみるとこの浦倉山から土鍋山はわたくしの垂涎の的である点線ルートでした。いつか必ず挑むことを決意しました。

浦倉山からはなだらかな下りですので爽やかに駆け降ります。野地平の手前くらいで草原のようなやや開けた場所を通過しました。こういうことろでキャンプできたら楽しいだろうな。

野地平に到着。ここが何なのかがそもそもよくわかりませんが一周40分らしいです。まあ景色が良いハイキングスポットなのでしょう。やや疲労と頭痛を感じており体調がいまいちでしたが、せっかくなので周ることにしました。

うん、夏だったら花が咲いていて綺麗なのかな。まあもう冬の手前みたいな季節だしね。

野地平をめぐり終えてスキー場までの最後の登山道を進むとパルコールつま恋に到着。スキー場の入口の建物を見て思い出しました。20代の頃にスノーボードしに来たね。というか、たぶん子供の頃も来ているね。 

スキー場から車道を少し下ったところにサッカー場やキャベツ畑の何気ない風景が広がっていました。これがまた良かったのでつい足を止めてしまいました。

キャンプ場に戻った後は温泉に入って疲れを癒しました。温泉もほとんど貸切状態で最高でした。

初日二日目と体調がやや悪かったですが(個人的山あるあるなので慣れている)、キャンプ場も登山中も温泉もほとんど人がおらず個人的には最高の山行となりました。

天気も全日良かったですし、何と言っても嬬恋の素晴らしさに気がつきました。

ありがとう嬬恋、ありがとう四阿山