どこまでも歩いていく

歩きながら考える。主に山登りとか。

初めてのOZE 会津駒ヶ岳編

7/7(金)

おはようございます。七夕です。皆さまはどんな願いを短冊に込めましたでしょうか。織姫様も彦星様もまだ寝ているであろう、午前3時起床。昨日は疲れましたのでよく眠ることが出来ました。朝食を済ませ、準備を整えます。

03:58 キリンテ白樺キャンプ場を出発。まだ寝ている彦星に代わって織姫様を探しに出かけます。キャンプ場を出て100mくらいの場所に会津駒ヶ岳キリンテ登山口はあります。

こちらは前日に撮った登山口の写真。f:id:takayuuuuu:20230710202247j:imageちなみに、キャンプ場の名前にもなっているこのキリンテって何だと思い、キャンプ場のお母さんにも聞いてみました。昔役所の人か誰かが調べたそうですが、結局わからなかったそうです。地元民でもわからないとは、不思議ですね。ちなみに前は漢字だったそうです。麒麟手かな、麒麟に手と言っていたので。

本日の織姫様探しコースの概要をお伝えすると、まずはこの登山口から大津岐峠という場所まで標高差900mを登って行きます。大津岐峠は昨日登った燧ヶ岳方面と会津駒ヶ岳方面との分岐になっています。大津岐峠まで上がると稜線歩きとなり、燧ヶ岳方面は大杉岳を経由して燧ヶ岳の登山口となっている御池に辿り着きます。会津駒ヶ岳方面は稜線上をつたって駒ノ小屋を目指し、駒ノ小山まで来てしまえば頂上はもうすぐです。ただ、本日は会津駒ヶ岳山頂の先にある中門岳まで行く予定となっています。中門岳に着いたら引き返して駒ノ小屋まで戻って来ます。その後は、滝沢登山口方面位に下りたら登山は終了。国道沿いにある駒の湯に入って、キャンプ場まで歩いて戻ります。今日も全長20km超えとなっております。

開始直後の登山口から大津岐峠までのコースタイムは長めの3時間に設定されているだけあって、寝起き間もない身にはキツイ登り坂が続きます。しかし、会津駒ヶ岳の標高は2133mなのでこの大津岐峠(1928m)まで上がってしまえば、残りの標高差は小さくその後はあまり大変ではないだろうという予想が立ちます。昨日同様、早朝ということもあり頭も体も起きていない状態がしばらく続きます。前日30kmオーバーを歩いた疲労もどうしても残っています。加えて、峠までは樹林帯の中を葛折りや急傾斜気味の道をひたすら登って行きます。その為、特段おもしろい区間ではありません。というか、さっさと終わってくれと早くも思っています。何とか気を紛らして標高を上げて行き、出発から2時間経過したところで、05:59 木々の隙間から燧ヶ岳が見えるようになりました。 
f:id:takayuuuuu:20230710202220j:image大津岐峠に近づくと高山植物も目にするようになります。
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06:02 峠直下の急登をよいしょっと越えて、大津岐峠に到着。
f:id:takayuuuuu:20230710202303j:image燧ヶ岳方面が見えて展望良し。f:id:takayuuuuu:20230710202253j:image大津岐峠に咲いていた花。f:id:takayuuuuu:20230710202402j:image少し休憩を挟んで再開し、峠から会津駒ヶ岳方面へ少し歩いたところで湿原のような景色が開けた場所に出ました。

グッドモーニングジャパン、今日も絶景を独り占めだぜー。
f:id:takayuuuuu:20230710202233j:image昨日に引き続き、本日も良い天気です。朝の空気も気持ちが良すぎて、木道に座り込んでしまいます。中央やや左の一番高い場所が会津駒ヶ岳山頂のようです。しかし、結構遠いな。駒ノ小屋までYAMAPのコースタイム1時間15分になっているけど無理じゃない?

こちらはチングルマ
f:id:takayuuuuu:20230710202339j:image稜線上にはいくつかお花畑があります。
f:id:takayuuuuu:20230710202336j:image新潟方面では山頂付近に雪が残っている山がいくつか見えました。
f:id:takayuuuuu:20230710202346j:imageいろいろ咲いていますが、知識がないのでよくわからない。
f:id:takayuuuuu:20230710202332j:imageこれは白いけどウラジロヨウラクのようですね。
f:id:takayuuuuu:20230710202313j:imageこの稜線の区間は花を撮ったり周りの山を確認したりなかなか先に進みません。そして、そよ風と暑過ぎない爽やかな気温が最高です。
f:id:takayuuuuu:20230710202405j:image今回使用したAR山ナビという周囲の山を判別するアプリによると、新潟方面では平ヶ岳や中ノ岳、逆方向の栃木方面では日光白根山皇海山などが見えるようでした。会津駒ヶ岳に登る場合、滝沢登山口からのピストンが多いようですが、この稜線はとてもおすすめなので是非歩いた方が良いと思います。ただ、そうなると周回することになるので、キリンテ、滝沢どちらの登山口から始めても降りた後に国道沿いを歩くかバスに乗って戻って来る必要があり、当然距離も長くなります。まあ、そこを考慮しても僕はおすすめしますよ。

小屋の手前は道幅が狭く一瞬修験者ロードの雰囲気が出てましたが、07:20 小屋前の駒の池に到着。
f:id:takayuuuuu:20230710202316j:image池から見上げた駒ノ小屋。
f:id:takayuuuuu:20230710202412j:image小屋から先は木道が整備されています。キリンテ方面では誰にも会いませんでしたが、ここからは滝沢方面から登って来た登山者をよく目にすることになります。

07:33 会津駒ヶ岳山頂に到着。
f:id:takayuuuuu:20230710202329j:image山頂にいた駒ノ小屋に宿泊されている男性と話したところ、小屋は大変人気があり既に今年の予約は埋まっているそうです。直前では予約は取れず、この男性も3ヶ月前に予約していたとのこと。そして、10年以上毎年この小屋に通われているそうです。僕が泊まっているキャンプ場のお母さんも小屋の主人である夫婦を知っていて、この夫婦の人柄が人気の要因と言っていました。恐るべし、駒ノ小屋。僕も小屋に寄れば良かったな。スルーしてしまった。

山頂を踏んだ後は、中門岳へ向かいます。会津駒ヶ岳から中門岳の間は比較的なだらかで池塘がたくさんあり雰囲気も良くハイキングが楽しめる為、会津駒ヶ岳に登った際は中門岳まで行くことが一般的となっています。所々残雪がありますが危険箇所はありませんでした。f:id:takayuuuuu:20230710202217j:imageまた別のお花発見。
f:id:takayuuuuu:20230710202214j:imageこの辺はもう少し季節が進むと、雪が溶けてより緑が豊かになっていっそう美しくなるでしょうね。
f:id:takayuuuuu:20230710202223j:image快適な木道歩きが楽しめます。中門岳まで意外と距離があります。
f:id:takayuuuuu:20230710202310j:image07:59 中門岳に到着。目の前に美しい池塘が広がっています。
f:id:takayuuuuu:20230710202322j:image厳密に言うと、中門岳の山頂はこの少し先ですが、山頂に行っても何もありませんでした。こちらは反対側からの風景。
f:id:takayuuuuu:20230710202325j:image会津駒ヶ岳の山頂から中門岳までの道のりも期待通り、とても素晴らしかったです。それでは帰路に就きます。f:id:takayuuuuu:20230710202300j:image途中にあった、必ずすべりますの看板。受験生やお笑い芸人は要注意。
f:id:takayuuuuu:20230710202240j:imageわたくしも昨日滑る木道の恐ろしさは経験しております。駒ノ小屋まで戻ったら、滝沢登山口方面へ下りて行きます。乾いていれば木道があって歩き易い。
f:id:takayuuuuu:20230710202306j:image駒ノ小屋から少し下りた場所から振り返る。
f:id:takayuuuuu:20230710202237j:image燧ヶ岳と歩いて来た大津岐からの稜線も見渡せます。
f:id:takayuuuuu:20230710202230j:image下り始めは傾斜も緩く木道もある為楽だなと思いましたが、樹林帯に入ると途中から結構険しい場所も出て来ました。そして、徐々に疲労の色も出始めて軽く躓いたりするようになります。気持ちの上でももう早く終わってとしか思わなくなり、それでも何とかゴールが見えて来た、09:42 木の根っこに完全に左足を取られて思いきり前のめりに転倒しました。木の根が階段状に下っている部分に頭から落ちましたが咄嗟に手をついて一大事になることは免れましたが、ズボンや服が泥だらけになりました。周りに誰もおらず良かった。転倒シーンを見られていたら恥ずかしかったし、転び方からして心配されていたと思います。色々な意味で危なかった。そして、数分後、左肩と腕が痛いことに気が付きます。転倒したショックと痛みでテンション激落となりました。

10:17 泣きながらその後も下り続け、滝沢登山口に到着。f:id:takayuuuuu:20230710202349j:imageお疲れさまでしたー。もうこれ以上歩けないですよー。
f:id:takayuuuuu:20230710202250j:image登山終了後まずは腹ごしらえだということで、食事が出来る道の駅へ向かいます。道の駅に併設されている山旅案内所で乾杯。
f:id:takayuuuuu:20230710202319j:imageコーラを秒殺で飲み干し、道の駅の食堂へ向かうも団体客の予約が入っており残念ながら利用が出来ないということでした。その為、同じ敷地内にあるお土産と食事が出来る山人家と言うお店に変更。これ、何だかわかりますか。
f:id:takayuuuuu:20230710202211j:image正解はサンショウウオサンショウウオって食べれるんですね。山人家では食べませんでしたが、キャンプ場に戻った後にキャンプ場のお父さんが一匹食べさせてくれました。薫製されていて食感はシシャモのようでした。味はシシャモとは別で何とも表現が難しいものでしたが、疲れた時に食べると元気が出るそうです。ちなみに、山人家で食べたのは豚丼でした。f:id:takayuuuuu:20230710202243j:image秘境桧枝岐、良いところだったな。

ご飯を食べた後はお楽しみの温泉タイム。道の駅にもアルザ尾瀬の郷と言う温泉施設がありますが、13時からだったのでまだ時間的に少し早い。滝沢登山口入口を超えた先の国道沿いにある駒の湯へ向かいます。

 

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駒の湯の泉質はさっぱりしています。前日前々日に入った燧の湯はしっとりしていました。燧の湯もとても良かったですが、個人的には駒の湯の方が体に合っている気がしました。ただ、駒の湯には露天風呂がありません。内風呂のみになります。温泉に入って、外の椅子に座って風に当たってを何回か繰り返していましたが、最高に気持ちが良い。キャンプ場の夫婦とも話しましたが、本当に檜枝岐は風が気持ち良いんですよね。湿度も低いようでベタベタしていません。

温泉で至高のひと時を過ごした後は、国道沿いを歩いてキャンプ場へ戻ります。歩くと遠いです。Googleマップで44分と表示されています。しかも、登り坂です。まあ、駒の湯近くのJA檜枝岐ストアーで買ったガリガリ君でも頬張りながらゆっくり戻りますよ。

途中にあるミニ尾瀬公園を少し散策したり、園内にある写真館に立ち寄ります。
f:id:takayuuuuu:20230710202408j:image園内にあるカフェでは先ほどのサンショウウオジェラートにぶっ刺さったインパクト大なスイーツを食べることが出来ます。インスタ映えを目指されている方は是非お越しください。僕も食べなかったことを後になって後悔し唇を噛んでいます。

www.aizu-concierge.com

 

キャンプ場に戻った後はテントを撤収し帰る準備を整え、キャンプ場のご夫婦と最後の会話を楽しみます。残念なのは今年でキャンプ場を閉じてしまうそうです。10月いっぱいまでは営業をしていることと秋も紅葉が美しいということなので、また10月に来ることをお伝えします。さて、帰りのバスの時間まで残り少なくなってきました。いやー、しかし、2日半だけでしたが、檜枝岐を満喫しました。天気も味方してくれて、燧ヶ岳も会津駒ヶ岳も素晴らしい山でした。お母さんとお父さんとは惜別の時となりますが、実際、転んだ時の肩が痛くて意識の半分はそっちに持っていかれいます。心配されそうなのでお二人には転倒したことは言っていません。バスが到着したので、感謝の言葉をお伝えして別れます。その後、帰りの電車内ではアドレナリンが切れたのか肩が死ぬほど痛くなってしまい、痛み止めを飲んでしまいました。痛みで腕が上がらずザックを背負うのも困難な程でした。

登山を楽しんでいたことと終盤は転倒や疲労で織姫様を探すことをすっかり忘れてしまいました。早く肩が治りますようにと短冊に願いを書きたいものですが、当然都合良く短冊などなく只々痛みに耐えるしかありませんでした。

日本百名山 29/100

 

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