どこまでも歩いていく

歩きながら考える。主に山登りとか。

温泉旅行 岩木山・八甲田山編②

前回の内容はこちら温泉旅行 岩木山・八甲田山編①

朝準備を終えて外に出てみると、雨...。レインウェアを着て八甲田山に向かうバス乗り場がある青森駅まで歩いて行きます。天気が悪いのでさっさと登山を終えて温泉に浸かることを決意します。

08:10 八甲田山へ向かうバスに乗車。このバスは十和田湖行きということもあり、平日にしては多くの乗客が乗車されていました。バスが発車し、前日は青森の街の方からでも八甲田山の姿が見えましたが本日は全く見えませんでした。それどころか、青森の中心地を抜けて山の中に入っていくと、霧で運転も危ぶまれるほど視界がきかず。登山には絶望的な天候状況の中しばらく進むと、周囲を山に囲まれた中にぽっかり開いた空間のような場所に出ました。ここに差し掛かるといきなり視界が開けました。突然霧も晴れたので不思議な感じです。少し先にある萱野茶屋でバスは休憩を挟みます。その後は、八甲田山ロープウェイ、城ヶ倉温泉を経て09:25 酸ヶ湯温泉に到着。酸ヶ湯温泉では自分を含め2名しか降車する人はおらず、皆さん十和田湖まで行くようですね。

09:29 また足をつらないように準備運動をして、本日の登山開始。

f:id:takayuuuuu:20230621152834j:image酸ヶ湯温泉から登る場合、毛無岱を経て大岳山頂を踏み仙人岱方面から下りてくる、もしくはその逆回りが一般的な周回コースとなっています。今日は時間があるので毛無岱からロープウェイ山頂公園駅の方へ向かい、赤倉岳と井戸岳を経て大岳に至り、仙人岱方面へ降りて酸ヶ湯温泉まで戻ってくることにします。ところで、八甲田山八甲田山という名前の山があるわけではなく、周囲の18の山々の総称になります。一般的に八甲田山の山頂と言えば大岳の山頂になるかと思います。

昨日に引き続き本日も地面はぐちゃぐちゃで水溜りも所々にあるという絶好のコンディションにより、登山開始5分で右足が浸水してびしょ濡れになりました。今日もジャングル状態の道を進むのかと辟易しましたが、30分程経過したところで広々とした場所に出ました。ここから先は木道があり歩きやすくなっています。

f:id:takayuuuuu:20230618234233j:imageどん曇りです。雰囲気は良いんだけどなあー。
f:id:takayuuuuu:20230618234302j:image何もないですが歩いていて気持ちが良いです。天気が良ければ最高だろうな。
f:id:takayuuuuu:20230618234308j:image毛無岱を抜けるとループウェイ方面と大岳山頂方面との分岐点があります。通常はこのまま大岳に向かうことが多いと思いますが、ループウェイ方面がどうなっているのか気になるので宮様コースと呼称されるループウェイ方面へ向かいます。事前情報ではこちらのルートには一部雪渓があるようで戦々恐々としながら進みます。宮様コースは5分で浸水したスタート直後の道以上にぐちゃぐちゃで、藪も生い茂りジャングル状態でした。皆さんのお気に入りのシューズが、例外なく原型をとどめないくらい汚れること間違いなしです。

ついに現れた残雪。ああー、ここを行くのか、と思いきや、写真左側の脇へ進むのが正しいルートでした。
f:id:takayuuuuu:20230618234312j:imageこちらは雪の上を進みますが危険箇所もなく5秒くらいで渡りきります。
f:id:takayuuuuu:20230618234219j:image11:03 宮様コースを抜けて田茂萢(たもやち)岳手前からの眺め。
f:id:takayuuuuu:20230618234335j:image11:07 本日ひとつ目のピークである田茂萢岳(1324m)に到達するも看板も何もなく気が付いた時には通過していました。ただ、周囲は木々で遮れられている為、田茂萢岳山頂から景色は見えません。

11:18 八甲田ロープウェイ山頂公園に到着。
f:id:takayuuuuu:20230618234246j:imageこの辺りはロープウェイに乗ってきた観光客の方もちらほらいます。お土産とかあるのか気になったので駅の中に入ってみましたがなさそうでした。飲み物を購入し、外のベンチで小休憩を取ります。展望台がありますが本日は曇りがちで近くの八甲田山域の山くらいしか見えませんでした。
f:id:takayuuuuu:20230618234338j:imageでは再開して宮様コースとの分岐点まで戻ります。今度は八甲田ゴードラインというハイキングコースの田茂萢岳とは逆側のルートを辿ります。陸奥湾展望台や三山ビューポイント、その先では田茂萢湿原展望台、高山植物展望台などがあります。

11:47 足下ぐちゃぐちゃジャングルコースとの分岐点を赤倉岳方面へ進みます。

f:id:takayuuuuu:20230618234216j:image11:53 振り返るとロープウェイ山頂公園駅方面が見えます。雲の隙間から少し青空が顔を出します。
f:id:takayuuuuu:20230618234252j:image12:09 1521m地点。ここまで来れば赤倉岳までもう少しです。
f:id:takayuuuuu:20230618234328j:image赤倉岳近くの雪渓。急傾斜でかっこいいです。
f:id:takayuuuuu:20230618234305j:image12:13 本日2つ目のピークである赤倉岳(1548m)に到着。
f:id:takayuuuuu:20230618234255j:image赤倉岳から先は稜線歩きを楽しめて非常に気持ちが良い。火口跡もあり周囲の景色も素晴らしい。自然と足が軽くなります。

12:18 3つ目のピーク、井戸岳(1458m)に到達。
f:id:takayuuuuu:20230618234318j:image看板には1550mの表記がありますが、地図では1458mになっています。測り直したら当初と比べて低かったのでしょうか、それとも背が縮んだのでしょうか。

火口跡を横目に通過して行きます。
f:id:takayuuuuu:20230618234249j:imageいやー、しかし、赤倉岳から先の稜線は非常に素晴らしいものでした。酸ヶ湯温泉から登る場合、毛無岱から大岳鞍部避難小屋へ向かう為、この稜線は通らないので、もしかしたら知らずに帰ってしまう方も多いのではないでしょうか。個人的には遠回りをしてでも是非歩いてほしいおすすめとなっております。

稜線の終点から眼下に望むのは大岳鞍部避難小屋です。いったんあそこまで下りて行きます。
f:id:takayuuuuu:20230618234226j:image酸ヶ湯温泉からの周回コースだと毛無岱からこの避難小屋に合流します。

避難小屋以降は山頂まで最後の登りとなります。一部残雪もありますが、問題なく登って行くことが出来ます。
f:id:takayuuuuu:20230618234258j:image12:42 大岳山頂(実際1584m)登頂。痛恨の指見切れてる。
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山頂に到着した時には全方向雲で覆われ微塵も景色が見えない状況でした。そして、誰もいません。天気がよければ陸奥湾岩木山鳥海山も望めるそうです。写真を撮り終えたら下山に取り掛かります。

山頂を後にして下ること約15分、うーん、いかにも怪しげな雰囲気が漂っていますね。
f:id:takayuuuuu:20230618234229j:image長めの雪渓を渡って行きます。この辺はまだ平なのでそのまま下って行きます。
f:id:takayuuuuu:20230618234236j:image下りということもあり少し滑るので踏ん張って歩くことが面倒くさくなり、お尻で滑って行こうと思い試してみましたが、勢いが足りなかったのかあまり滑らずお尻が濡れただけだったので断念。引き続き歩いて下って行きます。

先ほどの長めの雪渓をお渡り終えた先、終わったかと思いきやまだ先がある。しかも今までで一番急。下が見えないことに恐怖を感じ、これはさすがに無理だと思いチェーンスパイクを装着します。
f:id:takayuuuuu:20230618234223j:image写真だと全く伝わりませんが、これが実際やや急で恐怖心を煽ります。まあ、下が崖になっているわけではないので最悪滑って落ちても大丈夫そうですが。この斜面を降り終えそうになったところで下から登って来ようとしている女性二人と遭遇。お二人はしっかりチェーンスパイクを装着しトレッキングポールも持っており完璧な装備で準備は万全。僕も見習うべきです。雪渓の状態を聞かれたので、ここだけ少し急になっていますが抜けた先は全然大丈夫ですよ、とエールを送り別れます。降り切った場所から振り返ると、先ほどの二人が登って行きます。
f:id:takayuuuuu:20230618234242j:image雪渓を降りた後、チェーンスパイクを脱いで少し先に進むと今度は単独の女性に会いました。やはり雪渓の状態を心配されているようなので、先程と同様に最初だけ少し急でここを登り切ればあとは大丈夫ですよ、とお伝えして別れます。が、こちらの女性はどうやらチェーンスパイクを持っていない様子。ポールは持っていたので登りだしどうにかなるかなと思いましたが別れて数分後、やっぱり心配になったので振り返ると、先ほどの女性は雪渓を登り始めていました。何となくおぼつかない感じもしたので女性のもとへ走って行き、これ使って良いですよ、とチェーンスパイクを渡しました。女性からは感謝されましたが、「下りたら帰っちゃいますか、酸ヶ湯温泉に泊まってたりしますか」と返却について聞かれたので、帰っちゃいますけど大丈夫ですよ。それ1000円くらいですし(実際はたしかAmazonで2000円くらいだったような。こすい)、と爽やかに返答し女性と別れます。チェーンスパイクを渡した後、僕はかっこつけて振り返らずに背中を見せて歩いて行ったので結局どうなったのかわかりませんが、きっと雪渓を渡りきって山頂まで到達出来たことでしょう。まあ、このいっときの雪渓で登頂を諦めて欲しくないという気持ちがありましたし、もしかしたら彼女も自分みたいにわざわざ遠い所から登りに来ていたのであればなおさらです。

人助けをして勝手に良い気持ちになった僕はルンルン気分で下山を続けます。この荒々しい感じも素敵に感じます。
f:id:takayuuuuu:20230618234322j:image先ほどから硫黄の匂いがするなーと思ったら、立ち止まらずに通過して下さい。
f:id:takayuuuuu:20230618234342j:image過去この周辺で学生が亡くなった事故が発生したこともあるそうです。長居は危険です。

川の向こう側へ渡ります。
f:id:takayuuuuu:20230618234213j:imageそこから先はしばらくすると樹林帯に入りまたぐちゃぐちゃロードのオンパレード。

14:22 無事に登山口まで下りて来れました。
f:id:takayuuuuu:20230618234239j:imageせっかくなので地獄沼まで足を伸ばします。高温の源泉が湧き出しているそうです。f:id:takayuuuuu:20230618234325j:image14:32 酸ヶ湯温泉まで戻って来て、本日の行程終了です。お疲れ様でした。 

温泉前にてオロナミンCで乾杯。
f:id:takayuuuuu:20230618234210j:imageでは、温泉に参りましょう。ここ酸ヶ湯温泉はヒバ千人風呂(混浴)で有名です。
f:id:takayuuuuu:20230618234315j:image千人入れるほど広い温泉ということのようです。混浴以外にも男女別の温泉もございます。国民温泉指定第一号である酸ヶ湯温泉は2023年6月9日をもちまして設立90周年を迎えたということで、7月9日まで割引料金で日帰り温泉に入ることが出来ます。通常大人一人1000円ですが700円でした。ありがとうございます。皆さまも是非この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。と、宣伝をしたところで温泉の感想にいきます。まずは、メインの混浴ですが入場してみると女性の姿はゼロ。後で調べてみると、立板で仕切りを作って女性スペースがあるようでした。まあ、この時代に混浴はなかなかね。こちらの白濁のお湯の泉質は酸性硫黄泉です。強酸性のようで、浸かりながら足が痒いなあとボリボリ足を掻いていると非常にヒリヒリして驚きました。ちなみにこの千人風呂には洗い場がありません。温泉オンリーとなっています。体を洗いたい場合は男女別の温泉に移動する必要があります。僕も登山で汗だくになった後、最初に千人風呂に入ってしまい順番を間違えたと思いました。体を洗うことと男性用の温泉も気になったので移動しました。完全に別の場所にあるので着替えて移動する必要があります。男性用のお風呂は千人風呂と比べると非常に控えめなサイズになっています。言うならば十人風呂でしょうか。十人風呂は千人風呂と比べると、あまりヒリヒリせずまろやかだったような気がします。酸ヶ湯温泉は温泉客や宿泊客で平日にも拘らず、なかなかの賑わいを見せていました。

二日間の温泉旅行が終了しました。両日とも天気があまり良くなかったのは残念でしたが、岩木山八甲田山や青森の良さを感じることが出来ました。長時間の移動や岩木山での足つりもあり、果たして疲労と癒しを天秤にかけた場合どちらに傾いたかは疑問ですが、歴史のある温泉に2回も入れて満足でした。

さて、次はどこに行こうかなあ。(どうせ、山登り)

おわり